スウェーデンへ移住してもうすぐ1年。ようやくスウェーデン語の中学語レベルコース(SAS G)を終えることができました。小学校レベルのSFIは週3回授業に行くのが必須だったのですが、SAS GはFLEXという形式で、基本はオンラインでお勉強。週2回行きたければ学校へ。という感じでした。
正直私にはこちらのほうがあってた!SFIは生徒が30人くらいいて、9割は遅刻・途中退席。授業中でも電話がなって外に出たり、スウェーデン語以外の言葉で雑談したり、ノートやペンすら持ってきていない生徒もたくさん。学校のまわりには煙草を吸ったりジュースをのんでは道ばたに捨てちゃう生徒も多くて、スウェーデンの今後を思うと暗くなるほどカオスでしたから・・・。
オンラインコースなので会話の練習機会はほぼなくなりますが、やっぱり会話は移民ばかりのクラスよりもスウェーデン人と練習したほうがよいとも思いました。SFIは20代前半くらいの男性がほとんどだったので、スラングぽい言葉を話す子が多くて、私もついつい使ってしまって、スウェーデン人に「その単語は使わないほうがいいよ!特に会社なんかでは」と言われることがありました。
FLEX のSAS Gは基本読み書きが中心。時代背景や舞台となる国が違う4冊の小説を読んで感想文を書いたり、最後は、スウェーデンの教育制度や医療制度など、自分が選んだテーマについて2000語のエッセイを出所をきっちり管理しながら書くというものもありました。
会話力や発音のテストは、2回のSkypeのようなテレビ電話でのプレゼンと質疑応答のみ。一度も会ったことのない先生に20分程度で評価されてしまうので、緊張しましたー。
内容的に興味深かったのは、移民に対して批判的な記事なども読むことになっていたこと。SFIでは先生達も「スウェーデンにとって移民は宝!移民を批判するスウェーデン人達は悪!スウェーデン民主党は人種差別集団!」なんて言っていたし、壁にも「スウェーデンではみんな平等、移民もスウェーデン人も、男も女も、キリスト教もイスラム教も平等」なんて張ってあったりして、移民に優しいというかある意味、そこまで言っちゃっていいの?みたいな異様な感じもしました。
それがSASの授業では「スウェーデンの子ども達の学力は他国と比べてどんどん下がっている。それは自国で十分な教育を受けてきていない移民の増加が大きな原因だ。」とか「スウェーデン社会ではここ10年ほどで犯罪が急増している。それは増え続ける移民や移民2世などがスウェーデン社会にとけ込めないことが原因だ。」といった移民には厳しい論調の記事を読み、それに対する意見を書く課題がありました。
ディスカッションではフランス人やポーランド人のクラスメイトが「スウェーデン民主党は人種差別、極右といった意見を持っている人が多いが、本当にそうなのか?何重もの解釈や外国語訳が入った記事や意見を聞いてそう思っているだけではないのか?」という議題で、政党のホームページや党員の発言を引用して「税金を納めずに何年もスウェーデンの福祉に頼る移民ばかりでは社会福祉制度は崩壊するため、国としての許容範囲を考えて移民の受け入れを減らすことを求めている。重大犯罪を犯した移民の国外へ追放するべきだが移民排斥を主張してはいない。」といった議論を展開していました。私は日本の政治にすらかなり疎いし、たいした意見もできず恥ずかしい限りですが、結局自分としてはどこの政党を指示するにしても、何が正しくて何が間違っているのか、正しい情報源からの情報を得ることって大切だな。そしてそのためにも、スウェーデンに長く住むならやっぱり新聞を読んだり、政治家や評論家の意見を理解できるくらいのスウェーデン語が必要なのかなと思ったのでした。
そして、とってもぬるーい環境の語学学校から出ていずれは、実際には差別や偏見あるスウェーデン社会へ出ていく私達。この時期にいろんな意見に触れておくのも意味があったかなと思いました。
だらだらと書いてしまったけど、スウェーデン語の勉強はまだまだ高校生レベルのSAS 1, 2, 3と続きます。移民にもこんなにまで税金でお勉強させてくれるスウェーデン。できるだけ早く自立して恩返しできるようにならなくてはいけません。
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数日間強風が続いていたのですが、昨日からはジャケットなしでお散歩できるくらい暖かくなりました。写真でよく見えないけど、鴨や白鳥たちもホッとしたように日向ぼっこしていました。
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