みんな平等の難しさ

日本のメディアが伝える「北欧」「スウェーデン」はデザイン大国や自然がいっぱいというのはもちろん。男女平等、移民に寛容、IT先進国、高福祉社会、学費無料、6時間労働、キャッシュレス先進国、人口が少ないから斬新な挑戦ができるなどなどお手本的な前向きなものが多いけど、実際にスウェーデンに住んでみると当然課題はいっぱい。


中でも、移民問題、住宅不足、病院や医師・看護師の不足、学校の教師不足なんかは深刻な様子で、「移住してきたばかりのあなたには言いたくないけど、スウェーデンは10年前と比べるとすっかり変わってしまったわ〜」「この町での生活はシャボン玉の泡の中にいるようなもの、ちょっと外へ出ればスウェーデンの現実が見えるわよ」なんて言う人もいます。


昨日シェアしたAirbnbとの取り組みにも「難民や不法移民が増えすぎて治安が悪化したスウェーデンでキャンプなんかしたら危険すぎる」「北部のスキーリゾートのある町では5割が難民。私達が思い描くスウェーデンの姿はない」なんてコメントもありました。


私も自分も移民ですし、語学学校などで様々な移民に触れることが多いから移民問題にはいつも考えさせられるものがあります。最近の話題といえば、古い学校などで集団生活をしていた20歳前後の単身難民のためにコミューンがアパートを新設したこと。親元を離れて自立したい同年代のスウェーデン人の若者でさえなかなかアパートを借りることが難しい中で、難民が新築物件に住むことができるようになったということでみんな複雑な思いがあるようです。


同じ移民でも、中南米などで、スウェーデン人女性が留学中などに知り合ってサンボとして移住してきた若い男性達なんかは、毎日真面目に学校に通って給付金はもらえないし、高い家賃を支払わなければならないのでかなり苦しそう。遅刻ばっかりでも給付金がもらえて新しいアパートに住める難民のクラスメイトをうらやましく思っていたりします。


とはいえ、難民のクラスメイトたちも、「スウェーデン人の輪の中には入れない、どこか差別されているような気がする」と口にします。「あなたが考える典型的スウェーデン家族について書きましょう」という課題にも「この国に2年住んでるけどスウェーデン人家族と話したことなんかない。彼らが何を考えどんな生活をしてるかなんか知らない」と提出を拒否した人もいました。


さらに、当然全員が新しいアパートへ入居できるわけではないので、今回入れなかった人はまた1年ほど待つことに。「同じ時期にスウェーデンへ来て同様に申請したのになぜ?」という不満があるようです。


みんな平等、みんな平等と表向きには唱え続けるスウェーデン。今後どうなって行くのだろう、私には何ができるのだろうと考えてしまいます。


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